2012年4月 平成24年度入学式

2012年4月1日(日)15:00~
理工学部新入生:1028名
理工学研究科新入生:341名
電気電子情報通信工学科新入生:137名
理工学研究科電気電子情報通信工学専攻博士課程前期課程新入生:51名

平成24年度「理工学部入学式」・「理工学研究科入学式」が開催されました

理工学部全体の「理工学部入学式」・「理工学研究科入学式」が5号館アリーナで開催された後、下記の通り各学科別の入学式が会場を移動して執り行われました。

日時:2012年4月1日(日)15:00~
会場:中央大学理工学部校舎5号館5333号室

入学式場案内

理工学部・理工学研究科入学式

電気電子情報通信工学科入学式

新入生達

来賓挨拶(菱沼一夫同窓会長)

サークル紹介

サークルへの勧誘

来賓(菱沼一夫同窓会長)祝辞要旨

「激励と期待」

 私は同窓会会長を仰せつかっている1960年入学、(48年前の)1964年卒業の菱沼 一夫です。厳しい受験勉強を乗り越えて、ようこそ中央大学理工学部電気電子情報通信工学科にいらっしゃいました。皆さんとご父兄各位に本科への入学を同窓会を代表して歓迎申し上げます。

 我が電気電子情報通信工学科は創立63年の歴史を持っています。既に9800名余りの卒業生がいます。同窓会は昭和28年(1953年)卒業の第1回の卒業生が初代の会員で既に59年の歴史があり、現在2000名超の方々が会員登録をして活動しています。

 今、皆さんの頭の中は受験勉強に明け暮れした日々がよぎっているかも知れません。
 私は幾つかの初歩的な質問を皆さんにしてみたいと思います。

  1. どうして大学に進学したのですか?
  2. どうして中央大学を選んだのですか?
  3. どうして理工学部の電気電子情報通信工学科を選んだのですか?
  4. あなたはこれからの4年間で何をしたいと思っていますか?

 多くの卒業生はここで学んだことや体験したことを彼らのDNAレベルにしっかりと捉え社会で活躍したり、既に第一線を引退した人たちは彼らのなしえなかった数々をあなた達が発展してくれることを期待しています。 私もその代表的な一人です。

 昨年起こった東日本大震災で被害に会われた方々は今もご苦労されています。付随して発生した福島第一原発の暴走事故は人災であり、我々電気工学に身を置く関係者にとっては当事者です。この課題をしっかり受け止めみなさんが日本の将来をどのように切り開いて行くかを日々考えて貰いたいと思います。
 私はこの一年間、事故に至った経緯を詳細に調べてみました。当初、「想定外」と言う言葉で事故の発生を「止むを得ない」こととしての釈明から始まりました。しかし1990年の後半から大地震や津波の到来は予測され「安全指針」等に盛り込むことが検討されていました。この検討は2000年代になっても盛んに行われていました。しかしほとんどが反対勢力によって、葬り去られていました。今回の事故では、4基の原発が同様の過程を辿って暴走に至ったことから分かるように、電源喪失の事態が直接的な要因でありますが、それを招いてしまったマネージメントに原因がある人災であることが明らかになりました。

政府の事故対策本部長であった菅直人前総理大臣は最近の会合で以下のように述べている。
   「事故が大きくなったほとんどの原因は3月11日以前にあった」
   全電源喪失の想定をしていなかった経緯に触れ
   「担当部局は」『反対運動が起きるから考えないでおこう』と準備をしなかった」

と指摘。 (2012年2月19日 東京新聞)

 数千年の人類の歴史を観ると「社会科学論」と「自然科学論」のバランスの良い展開が快適な社会をうみだしていることが分かります。 我々の発想を行動、物造りに展開している方法を解析すると図に示したような関係になっています。

 私の調査の中で日本の最近50数年の近代産業の進展と原発開発の過程で「理論1」と「理論2」の重大な不調和の鬱積が起こっていたと言えましょう。理工学を研鑽した多くの関係者が自然科学者/技術者として然るべく機能していなかったことが多く見出された残念なことです。

 新入生諸君に期待したいこと。自然の驚異を適格に理解し、短期的な経済の発展と生活の豊かさ(過度の娯楽、過度の浪費)の回避を常に念頭に置いて、諸君の抱いている将来を検証して戴きたい。 そしてその検証に基づいて、今日からその勉学に取り組んで戴きたい。そしてあなたの孫の時代(40-50年後)の社会が健全であるような貢献をして戴きたいと思います。
 同窓会はみなさんの「近い将来のこと」「実業界で起こっていること」皆さんの「探究」「研鑽」のお手伝いを今日からでもします。何かありましたら先ずインターネットの「中大電気同窓会」【検索】をクリックしてください。 みなさんの健闘を期待しています。

2012年4月1日 同窓会長 菱沼 一夫